同業者からランチアデルタ インテグラーレ16Vの不調修理です。
燃料ポンプは交換済みとのことだがエンジン吹けないため走行不能です。
アイドル状態は問題無い様子だが加速できずに息つきするため燃料薄い感じ。
このころのデルタはOBDどころかフィアットランチアテスター用の診断カプラも見当たりません。
基本的な測定をしていきます。

燃圧が1kg/cm以上上がりません。原因はフューエルポンプのフィルター汚れがあり、掃除しても綺麗にならないため左側FIATパンダの物と交換して燃圧は2.5kg/cmに上昇。

これで完了かと思ったら今度は黒煙がすご過ぎる。燃圧が上がったことから通常の3倍の燃料を噴射してます。
これほどに燃料濃くするのは水温センサーかバキュームセンサーしかありません。
2つあるバキュームセンサーの負圧側黒色を交換。これで噴射時間も正常になる。

これで完了かと思ったら今度は冷間時にエンストやアクセルオフで回転下がり過ぎの症状。アイドルもばらつきあり。
このランチアのECUにはCO調整がついています。コンソール前部のECUに調整ねじがあり、左回転で燃料を薄くできます。

噴射時間が3.1msから2.6msに調整してエンジンの調子がすごく変化しました。
アイドル不安定やアクセルオフで回転下がり過ぎ症状が劇的改善です。簡単に出来るのでお試しください。

これで完了かと思ったら今度は走行中の、あるエンジン負荷の時にIE警告灯が点灯。
いろいろと調べるがバキュームセンサー正圧用灰色の劣化による特性のずれと判断。
負圧から正圧に変わるくらいで警告灯点灯のため。
しかしエンジン調子もよく、この灰色センサーは高額で生産中止のためこの状態で引き渡しとなった。
完全な故障で作動しない場合は容易な判断だが劣化や特性の変化は難しい判断ですね。
楽しんでますか故障診断。